牛刀

牛刀はヨーロッパから伝わった包丁(洋包丁)です。諸刃なので真直ぐに切り込むのに都合がよく、肉以外にも野菜を刻んだり、小魚をさばいたり、お刺身を引くこともできます。ご家庭では刃渡り18cm〜22cmのものが最適です。

鎌型包丁
洋包丁の代表、牛刀が時代とともに変化し、第二次大戦後一般のご家庭に急速に普及した日本人好みの包丁です。肉切りだけでなく、野菜を刻むなど幅広い用途に使います。刃渡り17cm〜18cmのものが一般的です。また、15cm前後の中鎌型というものもあります。 
ペティナイフ
ペティナイフの「ペティ」とは小さいという意味で、2本目に揃えてほしいのがこのナイフです。ステーキ等に付け合わせるジャガイモや人参の面取りや野菜の飾り切りなど、大きな包丁では面倒な細工もこのペティナイフがあれば意外に簡単にできます。刃渡りは11cm〜15cmの物をペティナイフと言います。
パン切ナイフ
柔らかい食パンやカステラなどを薄く綺麗に切るには、波刃の着いた専用のパン切り包丁が最適です。長時間使用しても切れ味はあまり落ちません。
サーモンナイフ

刃の両側に楕円のくぼみを付けてあるので密着抵抗が減り、切り身がつきにくい効果を生み出します。スモークサーモン・ローストビーフ・ハムなどの薄切りに最適のナイフです。

冷凍包丁
半解凍した冷凍食品専用の包丁です。たとえ半解凍した食品といえども内部は凍っている場合がありますので、牛刀や鎌型では冷凍食品を切らず、専用の冷凍包丁で切ることをお勧めします。冷凍庫から出したばかりの食材は画像下の冷凍包丁が適しています。
骨スキ
骨付きの肉から肉だけを切り取る包丁です。骨に添って刃を動かすので、他の牛刀類に比べ身が厚く、骨に当たっても刃先が刃こぼれしにくいよう刃先も肉厚になっています。角型と丸型があります。 
筋引き
大きな肉のブロックを筋に添って切り分け、筋のない部分だけを切り出せます。筋は直線ではないので、筋に添って自在に刃が動かせるように刃の幅が狭くなっています。厚みも薄く、スライサーにも使われます。刃渡り24cm〜33cmくらいです。
洋出刃
和包丁の出刃に比べ、刃の厚みもあり諸刃で魚をおろす、骨を叩く、大型の甲殻類の殻を割る、冷凍魚を切るなど、鳥獣類、魚類の大半の仕事に対応できます。刃渡り21cm〜27cmくらいです。
中華包丁
中華包丁のルーツは中国であるが、日本製が普及し始めたのは戦後。形は本国のものと似通っているが、やはり和包丁の鍛造技術が生かされた日本独自のものに変化している。薄手、中厚、厚手に分けられる。薄手は肉、野菜をはじめ柔らかいものや前菜の飾り切りに。中厚は万能用。厚手は包丁自体の重さを利用して主に骨を叩き切るのに使う。丸柄(中華柄)と洋包丁形式のリベット止め柄の二種類のハンドルがあります。
 
菜切
菜切はその名の通り野菜を切るための包丁です。刃は水平で幅が広いので、白菜などのカサのある野菜を切ったり皮を剥いたり、のし餅を切るのに便利です。片刄が多い和包丁の中で菜切は諸刃です。刃渡りは15cm〜17cmが一般的です。顎の丸いのが東型、角ばったのが西方です。
 
薄刃
菜切に似た形ですが、菜切と違い片刄です。刃が薄いので切味が良く切り口も綺麗ですが、刃欠けしやすいので使用上の注意が必要です。カボチャなどの硬い野菜は切らない方が無難です。ご家庭では刃渡り18cmをお勧めします。
 
出刃包丁
出刃包丁は魚をさばく時に使います。峰が厚くてがっしりした印象で、なんでもザクザクと切れてしまいそうですが、刃の作りはとても薄く、しかも片刃ですので、乱暴に叩き切りしたりすると刃コボレします。少し硬いものを切る場合は、峰に手をそえてグッと押すように切る事をお勧めします。刃渡りは、約15cmあればたいていの魚はさばくことができます。
ステンレス鋼(小出刃)
サビにくいステンレス鋼製の小出刃です。てんぷらの材料になるような小魚をさばくのに便利です。皮ケース付きなので携帯にすぐれ、釣の道具としておすすめします。峰のギザギザはウロコ取です。
正夫(柳刃)
関西型の刺身包丁で、刃の形状が菖蒲の葉に似ているところから正夫(しょうぶ)と呼ばれ、先が尖っていて使い易く、一般的な刺身包丁として使われています。また、刃の形状が柳の葉に似ているので柳刃とも呼ばれています。刺身包丁は、刃の長さを利用してスーッと引くように切りますので、少なくとも刃渡り21cm〜24cmは必要です。
蛸引
関東型の刺身包丁で、蛸引と呼ばれていますが、蛸専用の刺身包丁というわけではありません。 正夫同様、この刺身包丁も刃の長さを利用して、スーッと一息に引きます。刃を往復させるとお刺身の身の組織がくずれて、切り口も美しく光らないので、お刺身の味わいが損なわれます。刃渡りは正夫と同様です。
ふぐ引
ふぐの上身を切り分けたり刺身にする専用の包丁。正夫より峰の厚みが薄く、身幅も狭く、刃先も直線的。
身おろし出刃
出刃より細身で峰の厚さが薄手。軽量感があり使いやすい。硬い骨の切断にはやや難点がある。二枚おろしや切り出し、きざみに使う。刃渡り18cm~27cmくらい。 
腸裂き
主に牛の小腸を裂く為の包丁。先端部を小腸に刺し、そのまま包丁を動かさず、左手で腸を引くことにより、連続して切り裂けます。
むき包丁
薄刃より峰の厚さが数段薄く、切っ先は菱三角形。用途は薄刃と同じだが、野菜の飾り切りなどに便利。刃渡り18cmくらい。
寿司切
巻き寿司や押し寿司を切るときに使う包丁。諸刃で幅が広く、刃の形は丸みを帯びている。ご飯や具をこわさないように工夫された形。刃渡り24cmくらい。
麺切り包丁  共柄・片刄
そばやうどんを切る包丁。包丁を垂直に立て、その重さを利用して前方に押し出すように切る。1回降ろせば1本の麺が均等に切れるように、刃渡りが長い独特な形になっている。刃渡り24cm~30cmくらい。
麺切り包丁  黒打
そばやうどんを切る包丁。共柄・片刃の麺切り包丁より薄手で軽く、諸刃なので家庭用として、また女性にも使いやすい。刃渡り21cmくらい。
鰻裂き包丁  名古屋型
細長く長方形で、裂く時に峰の先で鰻を傷つけないように角が取ってある。柄は比較的長い。
鰻 裂 き 包丁 京 都 型
鉈の形をしていて腹開き専用。峰の凸部分で目打ちを叩ける。
裂 き 包丁 大 阪
切出と同じ形だが、峰が厚い。腹開き用。切っ先は江戸型と同じ角度で柄尻まで地鉄でできている。
鰻 裂 き 包丁 江 戸 型
切っ先が切出型になっていて、柄尻が斜めに切られている。短く、すっぽり手の中に納まる柄で、背開き用。大型のものは鰻用、小型はアナゴやドジョウを裂くのに用いる。
どじょう裂き包丁
江戸型の鰻裂きの小型包丁。ドジョウやアナゴを裂くのに用いる。
鱧(はも)しめ
鰻裂きの大阪型と同じ共柄だが、鰻より鱧のほうが少し大きいので刃肉は厚く、力が入りやすい握りにしてある。鱧料理の職人の方々の意思を基にこの様な形状の包丁になった。
鱧切り包丁
鱧やアイナメなど小骨の多い魚の骨切り用の片刃の包丁。包丁の重さを利用して、1cmに少なくとも5~6回身の手前から向こうへリズミカルに刃を入れていく。峰を厚く重くしてあるが、刃先は皮1枚を残して細かく切れるように薄く作ってある。刃渡り30cmくらい。